回顧する。たどり着きたい境地があった。道を切り開く意地があった。あの頃、この命はそれに捧げられていたはずだった。深い森の奥で、湖に映る己の姿を眺める。紛うことなき虎の姿が、そこにはあった。己はただ己のためだけに生きてきた。いつからか、目指していたはずの道などとうに消え去り、どこへ向かおうとしているのかさえわからなくなっていた。けれどそれでも、プライドに塗(まみ)れてしまった己は孤独よりも孤高を選…
[連載]残滓
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小説『残滓』【第7回】水無 飛沫
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小説『残滓』【第3回】水無 飛沫
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小説『残滓』【第2回】水無 飛沫
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小説『残滓』【新連載】水無 飛沫
月と桜と酒と……愛した女。「夢か……、夢であればよかったのかもしれないな」