新しい一クール目の投薬が十月十五日に滞りなく終わり、一時帰宅のタイミングを待つばかりとなったが、白血球の値がいつになく低く、許可が下りなかった。新しい治療は確かに入院期間が長く感じられた。前回までと比較すると体調もかなり良かったので、和枝は、頭では分かっていても、帰宅許可が下りないことへの苛立ちを隠しきれなかった。家で待つ遥も「弁当おいしくない」「ラーメンも食べられたもんじゃない」と、当たり散ら…
[連載]遥かな幻想曲
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小説『遥かな幻想曲』【第28回】尾島 聡
「料金はもう十分いただいたので」…走行中に料金メーターを切ったタクシー運転手の真意
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小説『遥かな幻想曲』【第27回】尾島 聡
辛いがん治療を受け続けた妻が挫折しかけた、医師の非情な通告
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小説『遥かな幻想曲』【第26回】尾島 聡
「ねえ、いい話と悪い話どっちから聞きたい?」…目が生き生きと輝く笑顔はまるで天使
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小説『遥かな幻想曲』【第25回】尾島 聡
治療に苦しみ、絶望を味わおうとも「妻は未来を見据えていた」
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小説『遥かな幻想曲』【第24回】尾島 聡
「日本の新聞の素晴らしさ」を語る…欧米の新聞との比較から
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小説『遥かな幻想曲』【第23回】尾島 聡
【小説】箱を開けたとたん、がん闘病中の妻は突然泣き崩れ…
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小説『遥かな幻想曲』【第22回】尾島 聡
【小説】初めての退院…妻は声をあげて、ひとしきり泣いていた
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小説『遥かな幻想曲』【第21回】尾島 聡
「さっきの電話、ホントに泣けたわ」抗がん剤治療に挑むママ
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小説『遥かな幻想曲』【第20回】尾島 聡
ついに始まった妻の抗がん剤治療。懸念していた副反応は…
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小説『遥かな幻想曲』【第19回】尾島 聡
妻の入院で始まった父娘の生活。娘がみせた意外な成長とは
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小説『遥かな幻想曲』【第18回】尾島 聡
【小説】がんで入院する母…娘の手紙に書いてあった一言に号泣
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小説『遥かな幻想曲』【第17回】尾島 聡
【小説】がんで入院する妻…「ママ、じゃあまたね」の意味は?
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小説『遥かな幻想曲』【第16回】尾島 聡
【小説】「ママの病気、がんなの」でも…娘が口答えをした理由
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小説『遥かな幻想曲』【第15回】尾島 聡
【小説】入院を控える妻…何も知らない娘からのプレゼントに涙
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小説『遥かな幻想曲』【第14回】尾島 聡
愛する妻からの告白「私、肺がんかもしれない」動揺する夫は…
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小説『遥かな幻想曲』【第13回】尾島 聡
廉の耳に届いているのは、紛れもなく「比類なき音」だった。
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小説『遥かな幻想曲』【第12回】尾島 聡
ついに購入の時「私、この音大好きよ」妻が選んだピアノは…
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小説『遥かな幻想曲』【第11回】尾島 聡
値段じゃない!新品より中古ピアノが「優れている」ところ
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小説『遥かな幻想曲』【第10回】尾島 聡
「何か引っかかるんだよね」破格の値引き提案の裏には…
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小説『遥かな幻想曲』【第9回】尾島 聡
【小説】思わずため息。スタンウェイの優れた音の秘密は…