【前回の記事を読む】真夜中の散歩から帰った俺を迎えに来た妻――俺ですら長らく忘れていた名前を、彼女は口にした妻に、何故M子の名前が出てきたのか、問いただそうかと思ったが、やめた。認知症の空白のせいで、妻は俺より多くのことを知っているかもしれない。俺の知らないことが出てきて、ショックを受けそうな気がする。彼女に逆襲され、ぎゃふんと言わされるかもしれない。しばらく、無言のまま、歩いた。妻も、おとなし…
[連載]あの世で、君と結ばれる
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小説『あの世で、君と結ばれる』【第5回】藤川 六十一
初恋の相手、おなかの子の死、抜け落ちた記憶――土下座ですべてを告白した俺に、妻は笑顔で「 」
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小説『あの世で、君と結ばれる』【第4回】藤川 六十一
真夜中の散歩から帰った俺を迎えに来た妻――俺ですら長らく忘れていた名前を、彼女は口にした
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小説『あの世で、君と結ばれる』【第3回】藤川 六十一
私とおなかの子はあの時死んだ――長い時を経て、ようやく再会した彼はすべてを忘れていた……
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小説『あの世で、君と結ばれる』【第2回】藤川 六十一
「どうして、忘れてしまったの」老いて認知症を患った俺の耳に入ってくるのは若すぎる女性の恨みがましい声で――
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小説『あの世で、君と結ばれる』【新連載】藤川 六十一
「死んで生まれ変わってでも結婚する」――欲望と禁忌の狭間で立ち尽くした初恋の相手は、いとこだった……