僕はたびたび、智子ママの隙を見て散歩に出かけた。ボス猫がいなくても、一人で自由に遊んで満足して帰る日も多くなった。すると、もう体や足を拭くだけでは許せなくなったのか、智子ママは風呂場に僕を連れていった。「ノミやダニが付いているかもしれないから、きれいにしようね」猫用のシャンプーで洗うようになった。人間には石鹸の泡も、ぬるま湯のシャワーも気持ちいいらしいが、僕は大嫌いだ。狭い風呂場の中では逃げよう…
[連載]にゃん太郎の冒険物語
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小説『にゃん太郎の冒険物語』【第4回】作間 瓔子
「臭い、臭い」と、僕のおしっこを後始末するママ。だんだん家に居づらくなり、ストレスが増えた。やっぱり外の世界が恋しい
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小説『にゃん太郎の冒険物語』【第3回】作間 瓔子
ある日、赤い首輪をかけてくれた。アニメ映画に出てくる黒猫みたいだと、会う人みんなが僕をはやし立てた。
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小説『にゃん太郎の冒険物語』【第2回】作間 瓔子
去勢というらしい。人間と暮らすためには、こんな犠牲を払う必要があることを思い知った。
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小説『にゃん太郎の冒険物語』【新連載】作間 瓔子
僕をかわいがってくれたのは初めだけ。そのうち気のない挨拶をして、他の用事に移ってしまうようになった。