【前回の記事を読む】大坂攻めを敢行する総大将である徳川家康は、もはや七十三~四歳になっていた。軍勢を率いるにはあまりにも老いていたが…信氏は、かつて伏見伊達屋敷で片倉備中守景綱から聞いた、大内勘解由の忠勤ぶりを思い出していた。勘解由はすでに故人となっていたが、政宗の敵方だった手ごわい腕っこきの武将たちが、こうしてまだまだ味方として名乗りを上げる。改めて政宗の人を引き付ける魅力に思いを巡らせていた…
[連載]縁 或る武家のものがたり
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第8回】伊藤 真康
「もはやこれまで。殿…今わたくしも参ります」――大坂夏の陣、轟音が響く大坂城内。我が子をかかえて震えていると、夫の凶報が…
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第7回】伊藤 真康
大坂攻めを敢行する総大将である徳川家康は、もはや七十三~四歳になっていた。軍勢を率いるにはあまりにも老いていたが…
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第6回】伊藤 真康
「これより大坂へ出陣する!」鉄砲隊を率いる足軽頭たちが、白石城に続々と集結。揃ったところで、いよいよ総出陣の運びとなった
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第5回】伊藤 真康
知行地から四里ほど離れた主君・伊達政宗の本拠「岩出山城」へ参勤。数年後には本拠が新設の「仙台城」に
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第4回】伊藤 真康
途方に暮れる一同。伊達政宗が与えた肥沃な土地は、時には人骨が見つかり、誰もが逃げ出すほど荒れ果ていた...
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第3回】伊藤 真康
「儂は殿に心底惚れ申したのだ。」裏切りで悪名高かった武将が忠義を誓うほどの器量を持つ主君は、他所者である我らのことすら…
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第2回】伊藤 真康
国へ帰ることもできず、大切な家臣も、母も失った伊達政宗は嘆くことしかできなかった…
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小説『縁 或る武家のものがたり』【新連載】伊藤 真康
浪人となった伊藤家は一家離散の憂き目に遭い、父と息子はただ二人、行く当てもなく…