この指月の伏見城は即刻放棄され、間髪を置かず北東の「木幡山(こはたやま)」へ城は移動。城下町も一からの再建を余儀なくされた。太閤の圧迫に苦心していた、政宗、小十郎ら屋敷詰めの伊達家関係者は、さらなる苦難にあえぐこととなる。この巨大地震をきっかけに、一〇月に元号が「慶長」に改元されたが、その後も日本各地で、大規模地震が度々発生している。領国で新たな役目に就いた信氏・氏定親子は、どのような思いで、伏…
[連載]縁 或る武家のものがたり
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第4回】伊藤 真康
途方に暮れる一同。伊達政宗が与えた肥沃な土地は、時には人骨が見つかり、誰もが逃げ出すほど荒れ果ていた...
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第3回】伊藤 真康
「儂は殿に心底惚れ申したのだ。」裏切りで悪名高かった武将が忠義を誓うほどの器量を持つ主君は、他所者である我らのことすら…
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第2回】伊藤 真康
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小説『縁 或る武家のものがたり』【新連載】伊藤 真康
浪人となった伊藤家は一家離散の憂き目に遭い、父と息子はただ二人、行く当てもなく…