その後、風の便りに、母が再婚をし、男の子を産んだと聞いた。私はただただ、母の幸せを祈った。父との生活は相変わらずだった。家事は私がした。いつも母のそばで見ていたので、料理もできた。父は私を思いやる事もなく、それを当たり前にしていた。会話はなく、何かと言えば「大学さえ行っていれば……マッカーサーの野郎が……」と、同じ話ばかりした。私の家だけが戦後を引きずったままで、私は息苦しかった。私の友達は母か…
新着記事一覧
-
小説『愛』【第7回】高見 純代
記者希望だった新聞社で秘書室に配属。理由は「美人だから」
-
エッセイ『お色気釣随筆 色は匂えど釣りぬるを』【第14回】朕茂 短竿
彼女をトラックの助手席に乗せて向かった先はまさかの…
-
エッセイ『プリン騒動』【第4回】風間 恵子
「なんとかなる…」一日も早く馴染もうと前向きな気持ちでいた
-
評論『生産性向上はこうする』【第19回】平石 奎太
材料費改善の鍵は多種多様!大きな成果がある2つの方法とは?
-
ビジネス『確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす』【第18回】松久 久也
高い能力があっても、それを企業内で発揮できない人が多い理由
-
小説『コール・サック ―石炭の袋―』【第9回】郷真 りな
西洋で「石炭の袋」は「大切なものを隠す場所」の意味をもつ
-
実用『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』【第2回】松久 久也
新型コロナという「黒船」によるワークスタイルの転換
-
エッセイ『プリン騒動』【第3回】風間 恵子
家の中と外の風景…重なり合うことのない理想と現実
-
エッセイ『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』【第9回】向井 健一郎
私の願い…「早く退院して家に帰りたい、社会貢献をしたい」
-
エッセイ『六根清浄 親と子の絆』【第39回】永久
火事場の馬鹿力で別居へ…安心して休めることの有難さを痛感
-
評論『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』【第8回】野坂 きみ子
「人格異常」は「人格障害」といった具合に、呼び方が変わった
-
俳句・短歌『歌集 古事記物語・異聞』【第22回】松下 正樹
歌集「古事記物語・異聞」より三首
-
小説『花を、慕う』【第50回】堀田 冀陸
娘は一心不乱に食べ続け…「おかわり!」どんぶりを差し出す
-
健康・暮らし・子育て『もしかして発達障害?「気になる子ども」との向き合い方』【第3回】嶋野 重行
教育現場へのちょっとした助言で先生と子どもの関係が改善
-
小説『アパルトヘイトの残滓』【第14回】竹中 寛
タイヤを売掛金代りに売りさばき少しでも損を取り返さねば
-
俳句・短歌『歌集 秋津島逍遥』【第33回】松下 正樹
歌集「秋津島逍遥」より三首
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第22回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
エッセイ『フランチェスカ昭子の手紙』【第11回】森川 昭子
ドクターが自ら死ぬ際、掛かりたい病気のナンバー1は?
-
エッセイ『霧中の岐路でチャンスをつかめ』【第13回】仲宗根 稔
家にテレビのなかった時代、母が始めたささやかな貸本屋
-
小説『不倫の何がいけないの?』【第23回】安本丹
好きになるのは、もはや時間の問題かもしれない