下丹田の位置と下丹田力について
下丹田の位置はヘソと腰椎3番と肛門の3点を結ぶ三角形の中心にあります。この下丹田とは解剖学的な名称ではなく、生きている人間だけにあり、死人にはありません。
身体は左右、上下、前後が対称的に創られており、バランスを自然に保てるようになっています。この人間的姿勢動作のバランスをとる中心点を下丹田といい、この下丹田に重心を常に下ろすことで、腹圧力を保つ力を下丹田力といいます。
この下丹田力の強弱によって正しい姿勢が保てたり、あるいはくずれたりということが起きます。また、下丹田力は腰腹脚力(実行力)のことでもあり、腰に力が入らないときはやる気も減り、実行力も減少することは誰でも体験していることです。
沖聖師曰く、下丹田は自律神経、ホルモン、経絡(気の流れる経路)、血液やリンパ液の循環、骨格(脊椎の中にある脊髄は脳の出張所)や筋肉などのバランスをとる中心点であり、大脳(上丹田)も安定するということです。そして深い瞑想が可能になるのです。
丹田に重心の集中する姿勢とは
足の親指と、かかとに同等の力を入れて足裏全体を着地させると、その力を足心(土踏まず)に統一することが出来ます。次にひざ裏を伸ばし、ヘソ下を伸ばすと仙骨にそりが入り、胸が張ります。この状態でお尻の筋肉と肛門を締め、肩の力を抜き、後頭部を伸ばして呼吸を丹田(ヘソの奥3cmのところ)で吐きます(このとき下腹部がへこむほど吐く)。
この姿勢(自然なS字カーブ)を保てる体型になると腰腹部に力がこもるので、腰椎を支える仙骨に圧力が加わります。すると、自然的に仙骨から出ている副交感神経の働きが高まるので、リラックスさせるホルモンのアセチルコリンが分泌され、交感神経とアドレナリン(興奮、緊張させるホルモン)を自然にコントロールできることになります。
またオーリングテストの創始者の大村恵昭教授によりますと、足親指から交感神経が出ているので、足親指を踏み込むことで下半身の筋肉に力が入って実になり、上半身はゆるんで虚になって、胸筋も広がり呼吸が深く楽になってリラックスできます(上虚下実な身体になり、腰腹脚力(肚)が出来、丹田力が高まります)。