私の視覚経験、中心視野のタイムラグと視覚持続
私は自分の経験から、このことを考えてみようと思います。まず私は、中心視野が見えるタイミングが周辺視野よりも明らかに遅かった、つまりタイムラグがあったという経験をしています。これは、一瞬サッケードで対象をとらえたその瞬間に、視線を他に移動させたのですが、この瞬間に周辺視野での映像は見えましたが、中心視野での対象の映像は見えなかったというものです。
この際の状況ですが、私が夜に車に乗って、道路で止まっていたとき、ふだん私はスピードメーターの文字盤を見ないようにしていたのですが(はずかしいのですが私は個人的な理由でスピードメーターの速度を表す数字をふだん見ないようにしていたのです)、そのときそのことを忘れていて、たまたま視線がスピードメーターに行ってしまったのです(サッケードで視線を移動させた、意識的なサッケードでメーターをとらえてしまったということです)。
このとき私は、一瞬「しまった」と思って、その瞬間スピードメーターを見ないようにしようとしたのですが、サッケード(視線移動)を途中で止められなかったので、一瞬視線がスピードメーターに向いてしまったのですが、次の瞬間すぐに視線をバックミラーに移したのです
(とにかくあせってスピードメーター以外のところを見ようとしたのです。意識的サッケードは、不応期を必要とせず、すぐに視線を他に移すことができます)。
そしてバックミラーを見た直後のその瞬間に、暗いバックミラーに明るいスピードメーターの数字が見えたのです(夜なのでライトをつけていて、メーターの数字も明るくなっています)。