俳句・短歌 短歌 故郷 2022.03.17 歌集「星あかり」より三首 歌集 星あかり 【第97回】 上條 草雨 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。 そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。 たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。 6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 間近でも出逢い待つ身の切なさに恋しさ募り涙を拭う 頬寄せる三人覆う愛翼悲しみのない青空の中 雲破り太陽溢るる強さ哉万照らして我も照らされ
エッセイ 『カサンドラ症候群からの脱却[人気連載ピックアップ]』 【新連載】 Happy Navigator 那美 妊娠4ヵ月目の裏切り......夫が会社の同僚と肉体関係を持っていた。「だってお前が、子どもを欲しがったから」 夫とは、私の会社の同僚の友人という形で知り合い、1年半のお付き合いの後、結婚しました。もちろん、幸せになるために結婚しました。子どもたちと一緒に温かい家庭を築くことが目標でした。1年半のお付き合いの中でも、私は特に彼に違和感を持つことはありませんでした。いま思えばなんですが、結婚に関して前進する手続きはすべて私がやりました。・結婚するまで二人で積立する・家具や生活用品を買う・結婚式の日取りを決め…
小説 『イエスタデイを少しだけ』 【新連載】 惣才 翼 幼馴染と恋人―二人の女性への想いは全く別次元と都合よく考えて自己肯定していた自分に気付いた… 時に畏敬の念を超え、女性に対して恐怖にも似た衝撃を覚えることがある。そんな感情を恭平が初めて体験したのは、大学受験に失敗した十九歳の夏だった。*「恭平、よく惚気話を聞かされている、佳緒里さんに会ったわよ」愛犬のキングを連れて散歩に出ようとした夕食前。掛かってきた電話の主は、京都に住む幼馴染みの雅子だった。「えっ、佳緒里に会ったって? 雅子、お前、今どこにいるんだ」「ついさっき、広島に着いたのよ。…