小説 小説 音楽 家族 2022.03.09 【小説】夫婦水入らずで訪れたみなとみらい。その目的は… 遥かな幻想曲 【第1回】 尾島 聡 無慈悲な現実に立たされてもなお、明るく生きた家族の物語。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 ※本記事は、尾島聡氏の書籍『遥かな幻想曲』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 遥かな幻想曲 レッスン室のピアノの譜面台に立てかけられていた、シューマン「幻想曲(ファンタジー)」原典版の楽譜。表紙を開くと、扉ページとの間に一筆箋の短い手紙が挟まれていた。
小説 『トオル』 【第8回】 井原 淑子 バイク事故に巻き込まれ、重傷を負った息子。加害者に補償を求めるも、「賠償に充てられるものはない」ということが分かり… 【前回の記事を読む】息子の唇が動いたような気がした。「起きた?起きたの?」そして、手に取っていた中指がピクンと痙攣し……夏休み、越中八尾のおわら風の盆を堪能しようと一人旅を計画して出かけたところ、行きの電車で同じように一人旅をしている順子と出会い、同い年ということもあって意気投合したのだ。風の盆のクライマックスは深夜の町流し。これを堪能できたのも一人旅の緊張から解放されたからに他ならない。風の盆…
小説 『トオル』 【第15回】 井原 淑子 "息子は殺された"と言う彼女を見て私は噂話を思い出した。『あの病棟に行った人は帰ってこられない。普通でない死に方をする』 【前回の記事を読む】『病院を告発する!息子の臓器を返せ!』そう書かれたチラシを持っていたのは、同じ部屋に入院していた子の母親だった「いいですよね、お金のある人は。一日五千円。毎日五千円。私には無理だった。だからベッド代がかからない八人部屋にしたんです。でも、多少病室が狭くなっても、建物が古くても、医療自体は同じように受けられると思うじゃないですか。同じ病院ですよ。別に、特別なサービスを望んでいる…