この時点で呼吸器内科を受診していたら、あるいは良い方向に舵を切れたのかもしれない。でも二人でいろいろ情報を集め、喉の病気に明るいと評判の新百合ヶ丘の耳鼻咽喉科を選んでいた。喉の緊張を緩める薬を処方され一カ月様子を見たが、状態に変化が見られないため、そこで初めて呼吸器内科の医院を訪れた。そしてCT画像を見た医師から肺がんの疑いを指摘されたのだった。早速、がん拠点病院である市民病院での検査に移った。…
[連載]遥かな幻想曲
-
小説『遥かな幻想曲』【第15回】尾島 聡
手術を前に、「娘からもらったステンドグラスを抱きしめたまま幾度も幾度も笑顔をつくろうとしていた」
-
小説『遥かな幻想曲』【第14回】尾島 聡
「私、肺がんかもしれないって」その日一日を、会社でどう乗り切ったのか。それについての記憶は全くない。
-
小説『遥かな幻想曲』【第13回】尾島 聡
「これに決めさせていただきます」音とつながり、潜り込み感じた将来性。
-
小説『遥かな幻想曲』【第12回】尾島 聡
ピアノ探しの旅も大詰め。特別に見せてもらった中古ピアノは美しい姿で調整を待っていた
-
小説『遥かな幻想曲』【第11回】尾島 聡
取材相手からの破格の値引きは賄賂か?商談に不安が募り始める。
-
小説『遥かな幻想曲』【第10回】尾島 聡
スタインウェイピアノの中古販売会へ。気になっていたピアノは他の人の手に…。
-
小説『遥かな幻想曲』【第9回】尾島 聡
「比類なき音」スタインウェイ。限定四台のセレクションルームへの誘いを受け揺れ動く
-
小説『遥かな幻想曲』【第8回】尾島 聡
1000万円前後するピアノの購入。悩んでいると、社長がある提案をしてきて…。
-
小説『遥かな幻想曲』【第7回】尾島 聡
響きの旅、ピアノとの邂逅、心揺れる音色を求めて
-
小説『遥かな幻想曲』【第6回】尾島 聡
【小説】どんなピアノに出会えるのだろう。わくわくしている今が一番幸せな時なのかもしれない
-
小説『遥かな幻想曲』【第5回】尾島 聡
【小説】ショパンの曲『幻想ポロネーズ』が、僕と彼女を近づける…
-
小説『遥かな幻想曲』【第4回】尾島 聡
【小説】初対面の17年前、出会い頭の彼女の言葉は「ごめんなさ~い!」
-
小説『遥かな幻想曲』【第3回】尾島 聡
【小説】スタインウェイとの出会いをきっかけに…妻と夫の「ピアノ探しの旅」
-
小説『遥かな幻想曲』【第2回】尾島 聡
「ちょっとみんなの前で弾いてみようか」軽いノリで娘をコンクールへ誘うと、その結果は…
-
小説『遥かな幻想曲』【新連載】尾島 聡
譜面台にかけられていたシューマン「幻想曲」楽譜を開くと一筆箋が挟まっていて…
-
小説『遥かな幻想曲』【最終回】尾島 聡
肺がんと闘う妻「薬の値段は保険適用で3〜4万円」効果は?
-
小説『遥かな幻想曲』【第29回】尾島 聡
妻が肺がん…薬の副作用で脱毛「生き続けるために治療したい」
-
小説『遥かな幻想曲』【第28回】尾島 聡
「料金はもう十分いただいたので」…走行中に料金メーターを切ったタクシー運転手の真意
-
小説『遥かな幻想曲』【第27回】尾島 聡
辛いがん治療を受け続けた妻が挫折しかけた、医師の非情な通告
-
小説『遥かな幻想曲』【第26回】尾島 聡
「ねえ、いい話と悪い話どっちから聞きたい?」…目が生き生きと輝く笑顔はまるで天使