大切なのは勉強だけじゃない

私は高校時代に相撲部のキャプテンとして活躍しました。相撲の良いところは、道具が何も必要ないことです。マワシ1本あれば、誰でも相撲を取ることができます。しかも、相撲部の練習場所は女子音楽部の前という好立地。半裸で練習していると常に女子学生たちの視線を感じ、時にキャーキャー言われたこともあります。

やはり多感な時期ですから、恋をすることもあれば遊びたいと感じることだってあります。周りにはいろいろと楽しそうなことがありました。私はそれらの誘惑を振り切って、高校最後の1年間は勉強に集中しました。もちろん、周りを羨ましいと感じたり、悔しいと感じたりすることも少なくありません。しかし、「今に見ておれ!」という気持ちを持ち続け、明るい明日が来ると信じて根気よく努力を続けたのです。

今の世の中は、私の学生時代のような戦後の激動の時代ではありません。教科書や参考書などもきちんとあり、ネットにも多くの知見が掲載されています。もちろん、学びたい人は学校以外の塾や予備校などで学ぶことができます。しかし、だからこそ、これからの時代に勉強だけしていてはダメだと感じてしまいます。

最近の学生は真面目で勉強熱心、分からないことはスマホでサッと調べられるのでとても物知りなのだと聞いたことがあります。もちろん、基礎体力とでもいうべき学力は必要ですが、勉強よりもむしろ「やる気」「覇気」「行動力」「根性」「優しさ」「機転」といったもののほうが大切なように感じます。

たとえば、アメリカの大学では研究も大切ですが、研究費を稼いだり、学生を就職させたりする企業とのコネクションも重要です。勉強だけでなく、好奇心、行動力、したたかさやずる賢さなども鍛えてほしいと思います。