2 武器(ぶき)輸出(ゆしゅつ)するとは

三菱(みつびし)重工業が、国産初のジェット旅客機スペースジェット((きゅう)MRJ)事業を凍結(とうけつ)するというニュース。

子「(ぼく)が乗った飛行機は日本(せい)だと思ってたよ」

父「お父さんは子どもの(ころ)から車、造船(ぞうせん)の日本ってイメージはあるけど、飛行機は……」

子「自衛隊(じえいたい)のも?」

父「買っているよね」

子「みんな自分で作るのが当たり前だと思ってたけど、売ったり買ったりしてるの?」

父「アメリカにめちゃくちゃ買わされている。割高(わりだか)で」

子「めちゃくちゃ買うのにまけてくれないのか」

父「文句(もんく)があるなら自分で作れと。その辺も戦争に負けたことを引きずっているよね」

子「作って、売ればいい」

父「うん、そういう話は前からしているね」

子「日本の技術ってすごいんでしょ? (おお)(もう)け?」

父「(もう)かるって意味だけじゃないみたいよ。例えばある国が武器を売りまくる。一旦(いったん)買ってしまうと、メンテナンスとか色々(いろいろ)(たよ)らなければならない。日米がそうだよね。売る側が良い人ならまだいいけど、問題がある場合、その悪い影響力(えいきょうりょく)が広がって、買うしかない国々(くにぐに)が大変なことに……」

子「世界を支配(しはい)してしまう……? 日本が頑張(がんば)って売りまくったら、日本が支配者(しはいしゃ)になっちゃうじゃん。なりたいの?」

父「いや、そんなことは考えていないし、その能力(のうりょく)もないでしょ。ごく少数の国の力が異常(いじょう)に大きくなるのは良くないから、売る、買うがごっちゃごちゃになって、影響力(えいきょうりょく)(およ)ぼし合えば、力の差も(ちぢ)まって、より対等な世界が出来ないかな。戦争を仕掛(しか)けた方も何かしら(こま)るという状態(じょうたい)にする」

子「ジャイアンがいないと、みんな仲良くなるのかな? でもジャイアンはケンカを止めることも出来るよ」

父「……ジャイアン、深い」

子「あの歌を聞かされるのは(いや)だけど、必要だよね」

父「現実(げんじつ)だと……」

子「トランプ元大統領(だいとうりょう)

父「見た目もぴったりだけど、必要だねとは素直に言いづらいものがあるね」