②H1受容体拮抗薬
1.クロルフェニラミン(ポララミンⓇ)(図2)
代表的な抗ヒスタミン薬の一つですが、どこにオタマジャクシがいるでしょうか? とりあえずN(窒素)を含む六角形環状構造(六員環)を頭と考えてみましょう。右にあるN方向に尻尾があるようです。ヒスタミンとは似ているものの若干異なる構造が拮抗薬として必要なようです。
2.アゼラスチン(アゼプチンⓇ)(図3)
一般用医薬品でも利用される成分ですが、中央に2個のNを含む六員環が頭、右斜め上のNに向かって尻尾が伸びているようです。
3.フェキソフェナジン(アレグラⓇ)(図4)
かなり横長の構造で二重結合のないNを含む六員環が頭、右に向かって先端にNのない尻尾が伸びているように見えます。これまでのオタマジャクシと比べて形が長くばらけているのが、この薬の特徴である眠気の副作用がない半面、効果も若干弱いという印象につながるのかもしれません。
4.オロパタジン(アレロックⓇ)(図5)
頭に相当する部分が見つからず、上側のNの分岐した部分を頭にして尻尾が続いていると見るしかなさそうです。表現は悪いですがNの頭割れ構造と言えそうです。図6を見てください。これは抗うつ薬の一つアミトリプチリン(トリプタノールⓇ)の構造です。
逆向きですが全体的にオロパタジンとよく似ています。実際にアミトリプチリンには抗ヒスタミン作用がありますので、この頭の割れたオタマジャクシが関係しているのかもしれません。
逆にオロパタジンには抗うつ作用はありません。オロパタジンのCO2H部分が水溶性を持つため血液脳関門通過の弊害になり脳内へ移行しにくいのかもしれません。さらに1のクロルフェニラミン(図2)を見直してみるとNの頭割れ構造(破線部分)が見られますので、この部分も抗ヒスタミン作用を示すかもしれません。