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自己紹介

海外の芽生えここで少し、自分の経歴を振り返ってみたいと思います。

私は父が商社に勤めていた縁で、幼少期を家族一同オーストラリアで過ごしました。生まれてから幼稚園までの約五年です。五歳までの記憶ってあるものでしょうか?

私がバカなだけなのかもしれませんが、当時のアルバムを見ても全然思い出せないのです。

ただ、写真を見ると日本と違って大きな家に大きな庭が表と裏にもあり、ベランダから海が見えたりして、

「なーんて優雅な暮らしなんだ。これじゃあ、今の自分ちの庭なんて、庭とは言えないじゃないか!」

と憤ると同時に、もう一回海外生活ができないか夢想するのです。

そして、金髪でスタイルのいい男の子と女の子の間に、おかっぱ頭で太った東洋の少年(自分)が屈託なく笑っている姿を発見すると、

「はぁ~、何このデブ」

と思うわけです。デブであることは帰国後も私を悩ますことになるのですが、ある時母に尋ねてみたことがあります。

「何で自分は太ってるの?」

すると母は、

「赤ちゃんなんて太っている方がカワイイのよ。あなた、小さい頃結婚式に出席して、食べてはトイレ行って、また食べてはトイレ行ってを繰り返し、翌日お腹壊してたわぁ、はっはっはー」

なんて高らかに笑うのです。

「そこは食事制限させるのが親の務めだろうが!」

と思うのですが、これも妻との会話同様、全く噛み合いません。デブで嫌な思いをさんざんしましたが、すべて親のせい、自分は悪くありません。

私がシステムに強いと誤解される理由は、履歴書上、院卒理系でIBM出身だからです。修士課程の所属は「国際情報通信研究科」、しかも社会人デビューはIBMでしたので、しょうがないかもしれません。

どんなに、

「学士は経済学部で経済と会計を専攻したから文系なの!」

と力説しても、ペーパー上、完全に理系人材となります。面談でその時は理解してもらえても、判断が表面的に下される限り、私は理系人材の呪縛から逃れられません。

じゃあ、なんで理系の修士課程に進学したのか、IBMに入社したのかというと、これまた紆余曲折があります。

まず修士課程への進学から経緯を話すと、学士を海外の大学で取得したことが理由としてあります。

私は単身留学でオーストラリアの大学にいたわけですが、いざ学士を終えて就職を意識すると、父がこう言うのです。

「お前、すっかり宇宙人になったな。話し方も動き方も日本人っぽくない。日本の会社で働くなら、絶対職場で浮く。調和を乱す。少し日本の学生と交わった方がいい。修士課程いっとけ」