健気にもコルセットを巻いてパートの仕事は休まず出勤。酒屋のカウンターで接客し、クリスマス、正月用にじゃんじゃん入荷する酒瓶を棚に並べている。最近他に痛かった箇所は股関節と肋骨。

その2か所は、いきなり痛くなり1か月間ほとほと悩まされたが、これまた急に痛みは収まった。まだ膝と肩には来てないが、いつ来てもおかしくないと覚悟している。これからは少しずつポンコツになっていく体とうまく付き合っていくしかないのだから。

私は3年前にバセドウ病と診断され毎日3錠服薬している。これを一生飲まなければいけないのかと思うと落ち込むが、一病息災と思って観念することにした。

3か月に1度、青山にある専門の病院に通っている。そこは表参道ヒルズの並びにあるビルの中。吸い寄せられるように沢山の患者さんが門をくぐる。広い待合室は若い女性で溢れかえっている。美容院の待合室かと見間違うほど、おしゃれな女性が多く誰も病人には見えない。

血液検査をした後、1時間外に出て時間をつぶしているが、一歩外に出ればそこは表参道。素敵な店が軒を連ねているから、通院とはいえお楽しみとセットだ。

「3か月生き延びた自分にご褒美」と、季節ごと洋服を大人買いして楽しんでいる。お気に入りのお店に行って、1時間の間に試着しまくり「これは娘と一緒に着る洋服。お年頃の娘が3人いるんだから必要経費」と、自分に言い訳をしながら買いまくる。

ちょうどお会計を終える頃が自分の順番が回ってくる頃。大きな紙袋を両手にぶら下げ病院に舞い戻る。病気になったって悲しいだけじゃつまらない。転んでもただでは起きないは私の信条。「お金はかかるが命あっての物種」と、またまた言い訳をして季節ごとのワードローブ揃えを楽しんでいる。

去年は大腸ポリープも取ったし、老眼は進む一方だし、娘と一緒に鏡に映りたくないし……。体の劣化は年々進むが、諦めたらもう終わり。「心の若作り」だけは止めないと心に誓う私だ。

満身創痍まんしんそうい 体中が傷だらけになること。転じて、様々な病気を抱えて苦しんでいるさま