俳句・短歌 四季 2021.09.30 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第73回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 庭先の艶あでやかに咲く淡紅花たんこうか 一つ二つと多数咲き出す 友達ともたちのお誕生日祝賀して 漢方鍋かんぽうなべで仲良く食事 街灯がいとうの灯りを受けて枝葉えだは揺れ 寝息立ててる安らかな木々
小説 『夫 失格[注目連載ピックアップ]』 【第20回】 時亘 一肇 夫が2階に上がるたびに走る緊張感。少しずつ、少しずつ、荷物を運び出し、夫から離れる準備を進める…絶対に悟られてはいけない 【前回記事を読む】昼夜問わず怒鳴り続ける夫の声は、ご近所中に広まっていた。遂に家を離れる決心をし、行動することに…女性センターに電話すると、提携する弁護士さんを紹介してくれた。そして後日、その弁護士さんに会いに行った際、「離婚される気はありますか?」と聞かれたので「はい」と答えると、「では家を出ないといけません」と。離婚調停をするにあたり、同じ屋根の下で当事者同士が一緒に生活しているのはおかしい…
小説 『マナ~ズメモリーズ』 【第2回】 真名 「これ、“あの実”よ。とっても美味しいから2つ取ったの」そう言ってアダムの方に走り去っていくイブ。その日以来、二人は… 【前回記事を読む】「食べてはいけない、食べたらどうなるか…」神さまは何故、そんな果実をつくったの?――子どもと一緒に読める聖書の物語 おいらは花だよ。名前はマナ。この星で言葉(ことば)を話せる花はおいらだけなんだ。おいらが最初(さいしょ)に咲(さ)いたのは、小さな男の子のそばだった。彼(かれ)は、おいらに言った。「やっと、咲(さ)いたね。君(きみ)も一人なんだよね。やっぱり、一人は、つまらないよ…