俳句・短歌 句集 2021.09.22 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第29回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 正門に子つばめ短期大学部 単線の一夜明けたる植田かな 夜どほしの雨が集めし柿の花
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
小説 『小窓の王』 【第19回】 原 岳 「△非常通報:剱岳で滑落事故発生。少なくとも一人は生存している模様。これから二名で可能な限り救助活動を行う。」 鬼島はロープを捌き終えると「懸垂下降するからロープをセットしろ」と川田に告げ、ザックの中から無線機を取り出した。川田はハーネスからロープを外し、そのロープの一端をスリングの紐の輪に通し、もう一本のロープと結束した。そして、二本のロープを束ね、谷に向かって投げた。鬼島は無線機の電源を入れ非常通信を試みた。周波数をメインチャンネルの四三三·〇〇メガヘルツに設定し、非常通信であることを呼びかけたあと、…