⑤財務状態
その企業、団体の財政規模、ここ数年の損益の状態、内部留保の金額もわかる範囲で把握しましょう。
上場企業の場合は簡単にわかりますが、上場していない場合でも調べればある程度のことは推定できるはずです。
交渉においては相手にどの程度の財政的な余裕があるのかないのかを把握することで、譲歩し過ぎたり、逆に強引に行き過ぎて交渉を決裂させるなどを防げるものです。
⑥意思決定者
前段で触れたように先方の実質的な意思決定者が誰になるのかは重要なファクター です。
またその人物の人となり、社内で置かれている立場もきちんと把握する必要があります。交渉前にどうしても情報がない場合は、交渉の過程で意識して聞き出していきましょう。交渉の初期段階で顔合わせができればそれに越したことはありません。
⑦交渉担当者
先方の交渉担当者の人となり、意思決定者との関係性、どの範囲までの権限を任されていそうなのかもわかる範囲で把握しておきたいところです。
また、その人物が社内で置かれている立場、性格、心理状態もある程度把握できれば、交渉の過程で相手の反応を予想するのに役立つものです。
これも交渉前に情報が足りない場合は、交渉の過程で意識して聞き出していきましょう。
以上ですが、右記のような情報を交渉前にすべて把握するのは難しいかもしれません。
そういう場合は足りていない情報を整理しておき、交渉の初期段階で聞き出していくか、第三者から情報収集しておくのをお勧めします。
交渉が難しくなってきたときに突破口となるヒントは大体このような情報の中に潜んでいるものだからです。
私が見てきた限りでは、この事前の情報収集が不十分で交渉に入ってしまい、その後も相手から聞き出そうともしていない人が多いように思います。
その結果交渉が暗礁に乗り上げた時にどうしていいのかわからなくなるのです。最悪交渉は決裂してしまいます。