俳句・短歌 四季 2021.09.12 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第70回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 燦々さんさんと注ぐ日光晴れた朝 新緑映はえて時は過ぎ行く 青空あおぞらに白い薄雲柔らかく 白鷺しらさぎ渡る和なごむ夕暮れ 快晴に暑さ感じて清涼の 時折ときおり吹いて気持ち良い風
エッセイ 『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 向井 健一郎 「病名は急性リンパ性白血病です」"急性リンパ性白血病"は約10万人に1人の確率で発症する。なぜ私が、と妻と二人で泣いた。 翌日の朝に、もう一度血液検査とエコー検査などを行いました。消化器内科の医師からは、「肝臓や脾臓は少し腫れているが、これが痛みの原因とは考えにくいです。最初のCTスキャンの画像を見ると、リンパ腺がいくつか腫れているところが見られたので、午後からは血液内科で診てもらいましょう」という話がなされました。私は「血液内科」とは初めて聞く名前だったので、これは何の病気だろうと思っていました。午後、病室が血液…
小説 『冬隣』 【第7回】 順菜 「あんたはとうに賞味期限切れだろ? ちょろかったよ、俺のような男がたまたま相手してやっただけで自惚れるなよ」 【前回記事を読む】「いい?」と聞かれ、抵抗なく頷いた。言葉少なに手を繋いだ二人は部屋に入り、優しく…「もう帰るの?」咲元がシャワーを浴びている間、紫はベッドで携帯を見ていた。最中に届いたメールは、辞めたブラック会社の同僚からだった。内容は相変わらずのモラハラ三昧に対する文句だったが、紫にはもう過去のことだ。携帯を閉じて、咲元を見た。すると今まで見たことのない不機嫌な顔をしていた。急に、私何かした…