臥薪嘗胆 家事・育児編 ハイブリッドでいこう
結婚して27年。お母さんになって25年。毎日大変で怒涛の日々だった。それをこなせてきたのは自分でやると決めたから。4人の子どもは、成人するまで育てるのを承知の上で産んだのだから、母の私が赤ちゃんと一緒に泣いているわけにもいかない。後戻りが出来ないのなら前に進むしかない。ねじり鉢巻き、歯を食いしばり育児と家事をやってきた。
頑張りすぎると壊れてしまうので部分的に手を抜くことは忘れなかった。適当さには自信がある。いい加減な私だからこそ4人を産んで育てられたのだと思っている。
私は料理が大好きで一日中台所に立っていても苦にならない。だから料理は趣味と実益を兼ねたお楽しみ。天然酵母パンを焼き、ケーキ屋さんのようにお菓子を作り、休むことなく3度の食事と4人のお弁当を作ってきた。「冷食」は受け付けない子ども達の為に、畑で採った野菜を使い、みんなの喜ぶ顔を思い浮かべながら作ってきた。
今、末娘が高3だから私の弁当作り人生も残り一か月。OLの娘の弁当もそれを機に一緒に卒業するつもり。やっと15年の弁当生活に終止符が打てる。お弁当の終了は子育て終了の合図でもある。力を入れたのは料理だけ。アイロン、靴磨きは基本やらない。「おしゃれな男性は自分でやるのよ」と、どこかで聞きかじった言葉を使わせてもらっている。
姑が元気だったころは、「あら、ズボンがまたグチャグチャね」と、せっせとアイロンがけをし、玄関のたたきにひざまずいて靴を磨き息子を仕事に送り出していた。掃除も適当極まりなく、遊びに来る子供の友達が「あーちゃんママ、ごみ落ちてたよ。あそこに蜘蛛の巣もあるよ」と、いちいち教えてくれる始末。
家は散らかっているくらいが客人は嬉しいもの。遠慮しなくて済むし、自分の家はもっと綺麗だと優越感に浸れるのだから。