イーロン・マスクこそ、現在の救世主
このトピックは、あまり「小さな会社」に関係ないように思えるかもしれませんが、YouTubeなどで彼の発言を聞くと私はたびたび感動します。そして、彼は、マーケティングを理解しています。
イーロン・マスク。スティーブ・ジョブズを超えたとも言われるアメリカの実業家で、事業はロケット開発やロサンゼルスの渋滞解消のための地下トンネル、電気自動車テスラと複数の事業がありますが、今回は電気自動車テスラの開発時のマーケティングについて紹介します。
電気自動車テスラの第1号車は量販車を避け、希少な高級車でブランディングを行いました。量販車でない以上、収益は得られません。しかし、電気自動車による高級車のポジショニングでリードできるのです。トヨタ自動車とは戦略が大きく異なります。
トヨタ自動車はリーダー企業のポジションも獲得しているので、その歴史から大きな冒険ができません。高いところに位置している企業は辛いものです。その地位を維持するという自らが作り出すバイアスは非常に強く、自社を高めるための作業より、自社の地位を維持するための作業のほうが優先順位があがり、精神的に辛いのです。
ある意味で自動車業界においては、テスラは小さな会社です。だからこそ、時代に対応できる「いまの最適化」をノータイムで行えます。一時的な利益を失っても、継続的な利益を得ることができます。
何かを得るとき、何かを失うのも原理原則です。そして、日本には「損して得取れ」ということわざがあります。「そこに価値があるならやる」という信念を持つイーロン・マスクは、アマゾンのジェフ・ベゾスと考え方は異なりますが、人類の救世主です。彼の語る価値とは、「人類の未来のために」だと私は勝手に理解しています。
生きる価値、経営する価値、すべて人間は自己が選択し、自己が評価する価値によって行動します。崇高な価値も他者から見て低俗と感じられる価値もあります。そこで初めて、イーロン・マスクのように常識を変えることができるのではないでしょうか。
化石燃料がこの地球上から消え去ったとき、テスラは地球を救います。一方で、地球温暖化で地球が破滅するようなことがあったら火星で生活ができます。イーロン・マスクの火星向けのロケット開発の数度の失敗は、最後のチャンスをものにしました。これこそ挑戦を続けた成果でしょう。いま、地球を救ってくれるのは彼ではないかとすら思えます。テクノロジーが地球を救うのです。もちろん、イーロン・マスクのリーダーシップによるのですが。
他人の価値判断ではなく、自分の価値判断で行動する。これも「惹き寄せるチカラ」を養うための重要な考え方です。