こうしたいを実現しよう

企業理念とは、どんなものでしょうか?

企業理念とは、企業の理念を作成し明文化するということだと多くの人が理解しています。人が行動するには、行動の理由がいるということです。

アメリカの会社では、ミッションステートメント(Mission Statement)がよく企業理念の代わりに使われます。ミッションステートメントは「組織が存在する理由」となります。つまり、組織の使命だと私は捉えていました。したがって、企業の目標、運用の意味などを記載したものではないでしょうか。

私の企業理念の解釈は、人生なら「ライフスタイル(生き方・生きざま)」であるように、企業の生き方を表すものだと考えています。そして、ライフスタイルである人生の生き方と企業理念は通じるものが必要だと私は考えます。そこで働く経営者や社員の生きざまが、集団となり企業理念と名が変わるだけです。

そこで「人として正しく……」が個人のミッションステートメントにも企業理念にも必要です。そして、それが本当に自分にとって正しいのかを確認する必要があります。

『7つの習慣』の第2の習慣である「終わりを思い描くことから始める」を理解すると自分の生き方、そして企業のあり方が見えてくるのではないでしょうか?

仕事とプライベートを区別しようが、その人間の本質的な行動は変わりません。特に、経営者は家の玄関を開けて「ただいま!」と言った瞬間に経営者であることを忘れることができるのでしょうか。

私にはできません。私も、バイクをいじっていても釣りをしていても経営のことが頭をよぎる瞬間はいくらでもあります。まして、不安や悩みがあるときなどは仕事を引きずります。

家庭で幸せを感じられないのに会社に来ると「顧客の幸せ」だとか「ありがとうの経営」だとか言ったところで意味があるでしょうか。つまり、企業理念も経営者の生き方、社員の生き方などを反映していくものでなければならないのです。

私を「夢物語のようなことばかり言っている」と思われる方も少なくないと思います。しかし、『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィーが「人間は社会に役立つために生まれた責任がある」というようなことを言っていたと、どこかで読んだことがあります。