これからのビジネスモデルは共創で価値を高める

アマゾンの躍進は誰でも知っていますよね。アマゾンと言うと、ネットショップの会社というイメージでしょうが、アマゾンのWebサービスも全体の売上の50%に近づいているそうです。さらに火星へのロケット開発などがこれからの事業展開らしいです。

この会社には3つの大きな特徴があると私は考えています。その一つは、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)が高いことです。噛み砕いて言うと、商品を届ける約3ヵ月前に現金を回収しているのです。

さらに凄いのは、利益率を高めるのではなく、ほとんどの利益を投資に回すこと。いままでの経営感覚だと、利益率を高め株式配当を高めてさらに資金調達をするということでしょう。

小さな会社でも20%程度の経常利益を求めるのが理想的だと考えます。そのぐらいないと一人あたりの生産性が1500万円程度になりません。

弊社は資金力がないので、通常の企業よりかなり高いCCCで運営されています。制作完了までに制作額の60%以上を回収しているのです。Webサイト制作という業態だからできることかもしれませんが、倒産の危機を免れることができます。

二つ目は、ほとんど基本的なことですが、もともとアマゾンは、ほかのインフラを利用して顧客の求める価値への提供を行っています。

他人の商品であるクレジットというシステムを利用し、加えて、すでにある流通を活用してアマゾンが成り立つのです。現在、アマゾンはこれらを自社で賄うように活動しているようですが、いずれにせよ、クレジットシステムや宅配システムがなければ成り立たないビジネスです。

言い換えれば、ほかを利用して賢いビジネスモデルを構築しているということになります。これが私の唱える「共創」の時代の始まりだと考えます。これこそが真似してほしいやり方となります。

三つ目は、ユーザーを活用して各商品にレビューを掲載することです。売り手のメッセージより、買い手・使い手のコメントのほうが信頼度があります。もともとアマゾンで販売しているのは、ちょっとしたレビューによりユーザーが商品を選択できるアイテムになります。専門家の説明やカスタマイズ、さらにオーダーメイドなどの商品はアマゾンに向きません。

簡単にユーザーが選択できるような商品をネットで販売したいのなら、独自のECサイトなど考えず、アマゾンに出店することをお勧めします。

一方で、Webサイト制作を行っている弊社では、アマゾンのTOPページのない(すべてがマイページ)表示システムは、唸り声を上げたいほど優れていると感じています。