5秒で決断する

引き続き決断力の話になります。ご存じの方も少なくないと思いますが、テレビの司会者や作家として有名なメル・ロビンズが提唱した「自分を変えるのに必要な時間」の考え方は、世界各国の知識人によるスピーチ動画を配信している「TED」でも人気を博しました。

その考え方とは『5秒ルール』と呼ばれるもので、5秒でやると決めれば、やらない言いわけを考え出さないということでした。しかし、5秒で「どうやるか」まで決められないと私は思います。

ですから私は、「5秒でいつから始めるのかを決める」ようにして、それをスケジュールにしています。

この考え方はまず「第一歩を踏む」ということを重要視しています。できるだけ早く、第一歩を踏まないと、次の課題に気を取られてしまいます。いま一歩を踏まないと、いつまで立っても現状は変わりません。

いや、何もしないと、ジェームズ・アレン『「原因」と「結果」の法則』の説く「心の貧しい人は庭の手入れをしない」状態になります。手入れをしないと雑草が生えて庭が荒れるように、あなたがもし何もしないなら、いずれ何らかの災難に見舞われます。

というよりも、自分の人生を自分らしく生きられなくなります。何度もお伝えしますが、すべては失敗から始まるのであれば、早く失敗をしたほうがいいのです。

「やるかやらないか?」を悩むより、5秒で決断することはとても重要な技術かもしれません。もし、私のように早合点をする人は、「決めたことを3日後に見直す」など、自分に最適化したルールをつくってもいいのです。

経営やマーケティングでも、何かを決めるときの基準やルールをつくると判断もしやすいのではないでしょうか。ただ、そのルールさえ間違っているかもしれません。しかし、それはそれでいいのです。

「常に変更」、「常に進化」なのです。前項で説明した通り「正解のない時代」です。正解を探していく人生で、あなたが墓場に入っても正解かどうかはわからないかも知れません。

それでも、他人にとっては正解ではなくても、自分にとっての納得のいく生き方を見つけることはできます。

読書について

多くの経営者は、機能価値では優れていても想像力に欠けるタイプが多いようです。

現在の私は、『7つの習慣』とアドラー心理学関連の自己啓発本を何度も読みます。この二つのカテゴリーを深掘りすれば、ほかに本を読む必要はないようにさえ思います。

ですが、小説や研究成果を発表する書籍、成功者の本は読みます。特に読むのが小説です。

直木賞にノミネートされた作家の本も読みますが、村上春樹や五木寛之が好きで、そこで多くの登場人物に感情移入をします。このことにより、分析力やイマジネーション力を養うことができます。