私は、すべての人間が「心正しく、美しいことを好み、人のために生きたい」と感じて生まれてきたというよりも、魚の赤ちゃんが水のなかで生活できるように、それを本能として、人間はこの世に生まれてきたと思っています。ただ、さまざまな場面で心の底にある心を隠していかなければならない人生があっただけ。そう理解しています。
ですから、「人間は変われる」というよりも、心の底にある本能のようなものを浮き上がらせ、貧しい心を隠すことにより「変われる」と考えています。
社員に人生を考える時間をつくってほしいと話したり、『7つの習慣』やアドラー心理学などを学ばせる時間をつくることによって、きれいに掲げられた額縁のなかの企業理念が生きてくるのではないでしょうか。
仕事とは、人間が生活するうえで重要なものです。
また、仕事をするうえで経験するものは、書籍からの学びより遥かに尊いものです。したがって、私は仕事を通して、自分の所有する機能価値と存在価値を活用して、「社会の一員として精一杯生きた」と胸を張って言いたいのです。
そして、できることなら社員にも自分で見つけた価値を誠実に生き、同じように感じてもらいたいものです。与えられたものを最大限に活用して、毎日を経営者としても、良い家庭人としても、良い社会人としても生きる覚悟がないと、企業理念をつくっても応接室の飾り物になるだけのことです。
「惹き寄せるチカラ」を持つ人は、これらの覚悟ができている人となります。