④ 払戻証書または名義書換済通帳の受け取り

③で相続手続請求書と添付書類を提出すると、2週間くらいしてから払戻証書(解約の場合)または名義書換済通帳が送付されてきます。最寄りのゆうちょ銀行の窓口へ行って換金しましょう。その場合は、換金する相続人の身分証明書や三文判が必要になります。

相続確認表 記載例
相続手続請求書 記載例

ワンポイント 預貯金はどうして凍結されるのか

被相続人が亡くなるとその故人の預貯金口座は停止されるのが一般的です。

銀行や郵便局など金融機関が訃報などで独自に死亡を判断したり、遺族が被相続人の死亡を金融機関などに確認したりすると預金の支払いが凍結されるのです(遺族が申し出をしない場合、金融機関が気付かずに口座が未凍結のまま時間が経過することもあります)。

口座凍結は金融機関としてはあとあと相続でもめた場合などに巻き込まれないようにする意図を含め、遺産を保全する目的があります。

故人の口座の預貯金は、ひととおりの手続きを終えたあと、相続人代表者の口座あるいは分割した各相続人の口座に振り込まれることになります。

▼ポイント

当面の生活費や葬儀費用などに預金の一部だけでも引き出させてほしい、と頼んでも、銀行からは正式な解約・名義変更手続きをとるように求められます。

また民法改正により令和元年から、預貯金の仮払い制度が新設されました。それは共同相続人のうちの一人が金融機関の窓口で仮払いの請求をする場合は、各銀行の相続開始時の預貯金額×1/3×その相続人の法定相続分=単独で払戻しをすることができる金額となります。

改正法では、「金融機関ごと(複数の口座がある場合は合算)の上限金額」を定めており、各銀行ごとにその上限額を150万円としています。

一方で、おすすめしませんが、当初、銀行などには被相続人が死亡したことを隠して、当面の必要な金額をおろしてしまうという便法もあります。その場合には、他の相続人の同意を得て引き出ししたり、あとからトラブルにならないためにも、必ず引き出した資金について葬儀などで使用した明細を記して管理した方がよいでしょう。