株式・債券・投資信託等の名義変更等の流れ
被相続人が所有していた株式・債券・投資信託等(「株式等」とします)の名義変更などの手続きは基本的には銀行と同じ流れになりますが、以下で説明するように、株式の相続手続きについては、未電子化株や端数株などがあるケースがあり、預貯金手続きよりも難しくなることが多いです。
相続人を確認するための「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」など、求められる添付書類は同様になります。
また株式等の相続手続きはいきなり解約して現金化することはできず、いったん相続人の証券会社の口座へ名義変更をする形になります。現金化したい場合は、移管後に売却しましょう(以下で説明する端数株などは直接現金化できる場合があります)。
(1)まず被相続人の株式等を把握する
1.証券会社等の郵送物を確認
被相続人が所有している株式等を把握するためには、被相続人宅に証券会社から定期的に郵送されてくる運用報告書や取引残高報告書、あるいは信託銀行などから送られてくる配当通知書などが最も重要な情報源になります。これらの送付元と株式等の内容を見ると、どの証券会社・信託銀行のどの支店に、どのような口座を開設して株式等を所有しているかが分かります。
株式等には、上場株式、中小企業の未上場株式、債券、投資信託、FXなど様々な商品があります。さらに最近ではネット証券なども増えてきているため、取引明細が郵送されてこないケースもしばしばあります。
その場合には、被相続人のメールの受信履歴などネット証券情報の受信メールを見て、手続きをするべき証券会社と被相続人所有の株式などを特定していく必要が出てきます。ここでは証券会社や信託銀行に預けている一般的な株式等の手続きについて説明いたします。
■ワンポイント 未電子化株・端数株とは
平成21年1月に株券電子化が行われ、上場会社の株式は証券会社の口座に移管されました。
ただし、株券のまま保有してしまい、何も手続きをしなかった場合や単元未満株(売買の取引単位である株数に満たない端数の株式)を保有している場合などは、証券会社の口座に移管されずに、その株式の管理を行う信託銀行に特別口座として管理されている場合があります。
単元未満株などの記載がある配当金通知書がある場合は、当該信託銀行等で、所有株式一覧・残高証明書等の発行を請求する必要があります。