分筆登記の手続き

分筆登記にあたっては、順番に気をつけましょう。

分筆とは、1筆の土地を複数に分けることをいいます。

例えば、相続人のAさんとBさんが1筆の土地を2筆に分筆して、各々の土地を相続したい場合は、以下の2つの手順のどちらがよいでしょうか?

:1筆の土地を相続してから2筆に分筆する方法
:1筆の土地を2筆に分筆してから相続する方法

の場合、①相続(A・B共有名義)、②分筆、③持分移転(A持分をBに移転、B持分をAに移転)の3種類の登記が必要となります。

の場合、①分筆、②相続の2種類の登記で済みます。

どのように土地を分筆するか相続人間で決まっている場合は、分筆してから、相続した方がよいでしょう。

分筆を行うためには、原則としてすべての隣接地(道路・水路を含む)との境界立会いまたは確認が必要です。

また、境界杭がなかったり、移動していたり、境界が不明確な場合には境界復元測量が必要となり、それに応じて測量費用も大きく変わることがあります。

測量に関してはきわめて専門的な知識や技術が要求されますので、まずは、土地家屋調査士に相談するようにしてください。

測量費用に関しては、境界杭の状況によっては高額になる場合がありますので、土地家屋調査士に相談する際は、一度現地を見てもらったうえで、事前に見積りを依頼することをおすすめします。

■ワンポイント 分筆にかかる期間

相続税の申告が必要となるケースでは分筆を急ぎましょう。

というのも、分筆の手続きは、早くて3週間、事案によっては2~3カ月かかる場合があるといわれているからです。

例えば、隣接地所有者が多い場合や国交省管轄の国道に隣接している場合、不在地主で連絡がとれない場合、または隣接地所有者が相続登記を行っていない場合等、事案によっては、さらに時間がかかることも珍しくありません。

相続税の申告が必要な場合は、申告期限がありますので、土地を分筆して、相続する予定の場合、相続税の申告に間に合うよう分筆の手続きを先行して進めた方がよいでしょう。