2.銀行窓口で残高証明書を請求する際に併せて「名寄せ」をしてもらう
名寄せをすると、相続人が把握していない被相続人のその他の口座、出資金、貸金庫の有無が把握できる他、融資などの借入金といったマイナスの財産が分かるので、記載された以上の取引がないことを確認できます。
これによって手続きをするべき財産漏れを防ぐことができ、相続人や税務署が正確に確認できる資料になります。
■ワンポイント 各通帳の取引履歴を取得しておくと便利なとき
金融機関では、各通帳の取引履歴を過去にさかのぼって取得することができます。もし特定の相続人が被相続人と同居する中で、預貯金の引き出しを勝手に行っている場合や、また相続税の申告が必要な場合においては、過去数年の贈与の状況などを確認するため等、履歴を取得しておくと便利なときがあります。
取引履歴請求に必要な書類は右記の残高証明書の添付書類と同様です。
■ワンポイント 通帳・カードが全く見当たらないか、他の銀行にも口座があると思われるとき
表「残高証明書の請求に必要な書類」の①②を持って、心当たりのある銀行を回りましょう。例えば、被相続人の住居の近くの支店やよく出かけていた場所等の近くにある銀行の支店などです。もしその銀行の異なる支店に口座があったとしても大抵の銀行は自行内の預貯金の有無は端末で照会できるシステムになっています(できない金融機関も一部あるようです)。
3.「相続届」など解約・名義変更で必要な書類を必ずもらっておく
預貯金の解約・名義変更をするためには、各銀行所定の「相続届」様式に各相続人が各々直筆で記名・押印(実印)が必要になります。遺産分割協議書(相続財産のうち誰が何を取得するかを明記し、相続人全員で記名・押印した合意文書)に記名・押印する際に同時に相続届にも記名押印できるように、事前にこのタイミングで必ずもらっておきましょう。
また、相続届に記名・押印するのは手続きを行う代表相続人のみでよいか、取得する相続人のみでよいか、あるいは相続人全員のものが必要かといった記入の仕方を、担当者にその場で聞いておくとあとあと便利です。記載例もあればもらっておきましょう。併せて添付する必要な書類を漏れなく聞き出しておきます。代表の相続人が単独で手続きする場合は、他の相続人から代表相続人への委任状が必要になります。
相続人が各々離れたところに住んでいる場合はなかなか集まる機会がないかもしれません。書類を記入・押印する機会はなるべく1回で済ませると手間がかかりません。