相続関係を確認するために必要な書類とは
(1)戸籍謄本等
相続関係を確認するためには、通常、以下の戸籍が必要になります。
1.亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本
戸籍は法律の改正により、その時点での現在戸籍をすべて作り直し、新しい様式で作り直されることがあります。また、他の市区町村への転籍や婚姻等によっても戸籍は新しく作り直されることになります。
つまり、戸籍ごとに始まりの日付と終わりの日付があることになります。その結果、相続関係を把握するためには「亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本」が必要になるのです。
実際に請求する場合は、亡くなった人の最後の戸籍をスタート地点として、出生まで、順々に戸籍をさかのぼって取得していくことになるでしょう。
■ワンポイント 戸籍の保管期限
戸籍には保管期限があり、この期間を過ぎてしまった戸籍は破棄されてしまいます。火事によって戸籍が焼失してしまっている場合もあります。 また、例えば旧樺太に戸籍があった場合など、その部分の戸籍に関しては、戸籍に関する証明書の取得が不可能な場合があります。これらの場合には戸籍謄本等を取得することはできません。その際は手続き先の機関にどうしたらよいか尋ねてみましょう。
2.各相続人の戸籍謄本
亡くなった人の戸籍に加え、各相続人の戸籍に関しても、手続き先から提出を求められることが多いです。手続き先の機関としては、相続人の現在の戸籍の内容を確認したいだけなので、戸籍謄本を取得すれば十分でしょう。
戸籍抄本(戸籍の一部分を抜き出したもの)でも十分に戸籍の内容を確認できますが、手続き先の機関の考え方によっては戸籍抄本でなく戸籍謄本の提出を求められる場合もあるようです。
■ワンポイント 代襲相続や数次相続があった場合
相続には、亡くなった人の本来の相続人であったはずの子や兄弟が先に死亡している場合に起きる代襲相続や、あとに死亡した場合に起きる数次相続というものがあります。これらの相続の場合には、戸籍謄本等に加えて、この亡くなった本来は相続人であった人の出生から死亡までの戸籍謄本も必要になるので注意してください。