俳句・短歌 四季 2021.06.04 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第56回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 梅桜うめさくら 躑躅つつじの後あとにの紅べにの花 咲く時告げる楽園区域 朝風あさかぜに 若草若葉 揺れている 思春期香り 朝陽に映える 温暖な そよ風草木くさき 渡り過ぎ 身体からだに沁みる 心地良さ哉
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
エッセイ 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』 【第23回】 武 さき 「男として最低です。女性を甘く見ないで」女癖の悪いプレイボーイが近づいてきた。声をかけるため、わざと着物に… ず~っと笑っている。「社長、どうしたのですか?」「いや、すごく素敵な奥様だ。面白くて笑いっぱなしだった。楽しかった」「珍しいですね。会食が楽しいっておっしゃるのは」「そうだな。ワハハハハハ」帰り、山本さんから美味しそうなお菓子を頂いた。駅弁を買って新幹線に乗った。お弁当を食べておやつも、楽しく二人で食べた。「俊さん、遠足みたいね」「楽しいな」ゆりは、たくさんしゃべり、たくさん食べて、コトンと僕の…