俳句・短歌 四季 2021.06.04 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第56回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 梅桜うめさくら 躑躅つつじの後あとにの紅べにの花 咲く時告げる楽園区域 朝風あさかぜに 若草若葉 揺れている 思春期香り 朝陽に映える 温暖な そよ風草木くさき 渡り過ぎ 身体からだに沁みる 心地良さ哉
小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第41回】 春山 大樹 私に会いに上京したはずの母。しかし、位置情報が示したのは板橋区の民家…そこは末期患者のための治療院だった。 【前回の記事を読む】「母は相当ひどい状態」と聞き、久しぶりに上京した母に「健康だよね?」と聞いた。すると、しばしの沈黙をはさみ…翌日、麻利衣は事務所のソファで足を組んでコーヒーを啜っていた賽子の前に右手の握り拳を固めていきなり立ちはだかった。「何だ、そのしかめ面は。腹でも痛いのか」麻利衣が拳を賽子に向けて突き出し、手首を回して掌を開くとそこには1個のサイコロが握られていた。「やはり私はあなたの超…
小説 『who am I』 【第28回】 千戸 嶺 大学1年の秋、夜の世界に入った。ホステスの仕事では、酒より大事な能力が「会話」だった——1番重要なことは…… 【前回の記事を読む】「テニサー」に入った目的は「テニスが楽しそうだから」。そんなピュアな理由ではなかった——性的な魅力を感じてもらいやすいこの時期に……芸能界というのは煌びやかな一面もある一方、深く影を落とす一面もある。光が明るければ明るいほど、闇は深くなるのだ。芸能界入りを渇望する純粋な思いを踏みにじり、芸能界デビューをダシにして条件の悪い契約ばかりを飲ませる悪徳事務所も中には存在する。そして…