管理職のスキルの向上と人材育成の鍵はコンピテンシーモデルにある
管理職やリーダーは、チームやグループメンバーの成長にどれくらい興味を持つ必要があるのだろうか。
経営者視点で考えると、できる限り多くの時間を使ってほしい。なぜなら組織が更に高い目標を達成するためには、生産性の向上は不可欠だからである。
生産性の定義は、一律に説明するのが難しいので、組織の大きさや直面している問題を踏まえて各々が考えてほしい。生産性を上げるためには、スキルの高い人の数を増やす、個々のスキルを上げる、工程を効率化する、不要なことを止めるという選択肢くらいしかないからである。
精鋭しかいないのであれば、余計なお世話であるが、例えば組織が100人いる場合、スキルアップが必須のメンバーは何人いるだろうか。
答えは全員というのが模範的なのではあるが、組織が大きくなればなるほど、全員を対象に研修やトレーニングを行うことは難しくなる。予算や時間に限りがある場合、費用対効果に優れた方法が好ましいわけだが、どのようなアプローチを考えるべきであろうか。これも戦略トレーニングの一環である。
組織の中には必ずと言っていいほど、影響力の大きな人がいる。
例えば、人に教えるのが上手な人がいる。後輩からの人望が厚く、多くの若手がロールモデルにしたがる人。経営層からの信頼が高い人。なぜか敵が少ない人。どんなことでも自分流を貫き通す「キャラが濃い」人。逆に働かない人の代名詞としていつも名前が上がってしまう人など、枚挙に暇がない。そういう人達からトレーニングを行うという方法も一案である。
また会社組織のようなケースでは、経営者側の分身というべき中間管理職のスキルを上げて、管理職がマネージするグループのスキルアップ策を考えてもらうというアプローチがある。
さて、管理職がグループメンバーの能力向上を評価するための切り口はあるのだろうか。