成果主義に個人評価はない

成果主義という言葉が語られるようになってから、すでにかなりの年月が経過しています。

当初は、多方面から注目され、画期的な制度として取り上げられました。バブルが崩壊して、未曾有の不況に突入した頃でしたので、各企業とも、何かにすがるかのごとく、「年功序列」に見切りをつけて、「新しい人事評価の仕組み」に移行していきました。

その頃、「成果主義」なるものを、転職先で初めて経験します。転職した会社では、新しい人事制度として、成果主義に基づいた仕組みを構築したばかりで、実際に運用するのは初めてでした。

制度は、多岐にわたる、複雑な要素で構成されていたのですが、大雑把にいうと、「個人の成果と、会社の業績に応じて、年俸が決まる」という内容でした。

そうこうしているうちに初年度が終わり、新制度に基づいて、「人事評価」が行われることになったのです。その年の会社の業績は良く、利益も予定通り確保しました。

間もなくして、各人の人事評価が、新しい報酬制度のもとで実施されました。すると、年俸が前年を下回る社員が続出してしまいます。

最大の理由は、成果に対する評価基準が曖昧で、上司によって判断がバラバラになってしまったことにあります。後で聞いた話ですが、中には「相性の悪さ」が、露骨に反映されたケースもあったようです。

もっと大きな誤算は、従業員の反乱です。