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Hustlin' (ハスリン)

突然、リーダーの男性が立ち上がった。

ストリートを渡り、反対側に停めてある車の元へと近付いて行く。窓越しに運転席の男と何やら話しこんでいる様子だ。

しばらくして、彼が私に「立て」という合図を送った。

手を大きく下から上に持ち上げてみせる。

意味がわからず、少し腰を浮かせながら彼の様子を窺っていると、隣に座っていた男性が言った。

「“立って”だって。」

その瞬間、私は嫌な直感が働いた。

おそらく彼は相手の男に商品として私を見せようとしているに違いない。私は立ち上がらずにそのまま座った。彼は何事もなかったように笑顔でこちらに戻って来た。

「私さ、結構ピンプと知り合う機会が多いんだよね。いままでいろんなピンプに会ったよ」。

わざと鎌をかけてみる。彼は一瞬、表情を変え、引きつった笑いを浮かべた。

「……」

「キミってピンプ? Pimpin’(ピンピン:ピンプをすること)しようとしたでしょ?」

「……。」

彼の反応からそれが図星だということがわかった。

「さっきさ、あの男と話しながら私のこと見てたでしょ? “立って”とか言うからなんかおかしいと思ったんだ」

「Pimpin’させてくれる?」

「嫌だよ」

「たくさん金が稼げんだぜ」

「嫌だ。」

彼は諦め、通常のビジネスに戻った。