ハウス・パーティ
電話が鳴った。
「Yumi。今夜パーティがあるんだ。来るか?」
「どこでやるの?」
「ブルックリン」
「どんなパーティなの?」
「ハウス・パーティだ」
「誰が来るの?」
「オレの友だちと親父」
「お父さんも来るの?」
「ああ。親父の知り合いが主催してるパーティなんだ」
「服装は?」
「ドレスアップしてこいよ」
「え? ドレスアップって言ったって、そんなお洒落な服ないし」
「なんかないのかよ」
「っていうか、どんな音楽なの?」
「レゲエと……ヒップホップ少しかな」
レゲエ音楽、しかもハウス・パーティでドレスコードがあるというのは、私にとっては初めての経験だ。
「ジーンズじゃダメなの?」
「……。しょうがねーな。で、ジーンズにトップは何を着るんだ?」
「……。黒のトップで、背中が大きく開いてるの。結構セクシーだと思うけど」
「……」
納得していない様子が電話の向こう側から伝わってくる。
「何よ。何がいけないの? だから黒のトップにスリムジーンズ。ニーハイブーツをそれに合わせて履くから。ジーンズの裾はブーツにインするの。上にはファーコートを羽織る感じかな」
「……。まあ、いいよ。じゃあ、12時半な」
「OK」