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学級経営編~みんなが幸せな空間創りの実現~

確かに世の中を見ていると、「自分の嫌いなものへの対応の仕方」が、下手だなぁと思うことが多々あります。

人間だから、嫌いなものがあるのは当然です。思うことは自由。しかし、それを口に出したり、ネットに書き込んだりする必要はありません。

たまに教室でも、「あの有名人嫌い!」と言う子がいますが、その有名人が好きな子もいるわけですし、その人に自分が何かされたわけでもないのだから、思っておけばよいと思うのです(そしてその有名人の方もめちゃくちゃ努力していますし、そこを見ずに嫌いとは言わない方がいいのかなと個人的に思います)。

「嫌い=批判」ではないのです。それを教えていくことも、これからの学校の役割なのかな、と思います。集団にいろんな子がいるのは当然です。

子どもは「その子を排除すればいい」と考えがちですが、そんな集団ではおもしろくないことも伝えたいです。

そしてその子が集団に貢献していることがあることも気づかせたいです(授業中に落ち着きがなく、すぐにしゃべってしまう子が、みんなを笑わせて、場を明るくしてくれることも、よくあります)。

また、忘れてはいけないのは、学級には、特別支援学級から「交流」ということで、障がいをもった子が、一部の授業を一緒に受けたり給食を一緒に食べたりすることがあるということです。

その際に私が心がけていることがあります。それは「特別扱いしない」ということです。私の印象に残っているL君の話をします。L君は、普段は特別支援学級で生活しており、交流で私のクラスに来ている子でした。

L君はひょうきんもので、おもしろいことを言って人を笑わせるのが好きな子でした。しかし4月や5月あたりは、L君がギャグを言っても、クラスメイトはなかなか笑いませんでした。

後で聞いてみたら「笑ったらかわいそう」という謎の感覚があったようです。そんな中、私はL君のギャグに対して爆笑を繰り返していました。同情ではありません、本当におもしろかったからです。

クラスメイトも次第にL君にギャグを求めるようになり、クラスは明るくなりました。L君はみんなの前で話をするとき、言葉が詰まってしまったり、言葉の並び順がおかしくなったりしてしまうことがありました。

その時私は絶対に笑わなかったし、クラスメイトが笑うことを許しませんでした。L君は一生懸命話していたからです。障がいのあるなしにかかわらず、目の前にいる子は「人間」です。当然配慮した方がよいことはありますが、特別扱いをせず、その子の「心」を見ることが大切だと思っています。

L君が卒業するとき、

「先生大好き。先生のクラスでよかった。先生のクラスにいくと、いつも笑いの神が降臨していて、交流に行くのが楽しみだったよ」

と言ってくれました。