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学級経営編~みんなが幸せな空間創りの実現~
学級は子どもにとって家以外の「第二の居場所」だと思います。
そして学級づくりは、教師の力量や思いがよく反映されます。
現場ではどんな学級があるのか
本当にそれぞれです。本当に素敵な学級もたくさんあります。
その一方、もうすっかり定着してしまった言葉である「学級崩壊」を起こしている学級もあると思います。
ただし、おもしろいことに、現場にいる「素敵だな」と思う教師の学級は、毎年どんな子どもたちであっても、最終的には素敵な学級になります。
これは偶然でしょうか。ここに現場の知恵があると、私は確信しています。現場の教師の学級経営の知恵を語り合ってみたいものです。どのような学級をつくるか、ということについての私が心がけていることはただ1つです。
それは、「ここにいる全員にとって幸せな空間を創る」ということです。教室が、自分と他者の幸せを考えた人で溢れ、「クラスメイトの幸せがどんどん増えていく空間」になったら、こんなに幸せなことはありません。
それとは反対にお互いの悪いところばかりが目につくようになると、ネガティブ発言が横行するようになります。そしてそれは伝染していきます。
だからこそ、学級の中では、教師が堂々と、「全員にとって幸せな空間を創るんだ」と言い切っていくことが大切です。
安心感が生まれますし、子どもはその宣言を待っている場合が多いのです。みんなが幸せな空間を創るために何が必要なのか、ということを私は日々考えています。
そのためには、教師の働きかけだけではなく、子どもたちの「自分たちの意志でクラスを創っていくぞ」という心が必要です。よって、学級会は大切です。
学級会にも細かい手順はいろいろあるわけですが、最も大切なのは、「本当の民主主義とは、多数決のことではなく、少数意見の尊重だ」という考え方です。多数決は時に数の暴力になることがあります。
なぜなら多数決で多い方が、必ずしも正しいとは限らないからです。コペルニクスが地動説を唱えたときは圧倒的少数派でした。でも正しかったのは地動説です。
ヒトラーも多数決で、ドイツ国民から選ばれました。とても難しいですが、なるべくみんなが納得できる落としどころを探すようにさせています。
そのために、より多くの意見が出ることが大切です。子どもたちには常に「意見を言う時間と場を用意した。全員に意見を言う権利がある。だから勇気をもって意見を言いましょう! 絶対に終わった後に文句を言いません。文句を言うな。意見を言え!」
と、言っています。たまに意見を言い合っていると、自分とは違う意見が出たことにイライラしはじめて、相手の人格を否定するようなことを言ってしまう子もいます。