そんな時は、喧嘩をしているのではなく、よりよい意見を創るために「意見を闘わせているのだ」ということを確認することも大切です。
また学級会同様、全員にとって幸せな空間を創るには、「子ども同士がお互いを理解すること」も大切です。
私は、よく子どもと面談をします。学級のよいところや改善点、悩みなどをざっくばらんに語り合うという時間です。私がこのような一対一の対話にこだわるのには、私の体験があります。
私は大学時代、ダンス部に所属していたのですが、そこでは定期的に対話の時間が設けられ、部員同士話をしていました。私の通っていた大学は日本全国から人が集まってきます。
生まれも育ちも全く違う環境ですが、対話を通じて相手のことを知ることで仲良くなれたのです。今までの自分なら友達になっていないだろうと思うタイプの人とも。対話のポイントは3点です。
「相手の主張に耳を傾けること」「面と向かっての対話を大切にすること」「互いに学び合うという心で挑むこと」
このような対話は、必ず人と人を結び付け、お互いの信頼をつくります。人に何かを教えてやろうという傲慢な態度では、何も得るものはありません。
対話は勝ち負けではありません。もちろん子どもにとって学級の中には、気の合う子ばかりではありません。
私は、「みんな仲良く」というより「人と人が仲よくするのは難しい」と伝えています。その前提で、「一緒に幸せになるにはどうしたらよいか」を考えさせています。
昔、私のクラスで級長を務めた子が、クラスメイトに対して、
「嫌いな子がいるのは仕方がないことだと思うけど、その子がこの空間にいることは認めてあげようよ。その子にも学校に来る権利はあるんだから、悪口とかはやめよう。あと一回無理って思っちゃうと、嫌なところしか見えなくなるけど、この世によいところが一つもないなんて人いないはずだから、なるべくお互いのよいところを探して受け入れようね」
と言ったことがあります。これこそまさに「多様性」であり「他者を受け入れること」だと思いました。
「立派なことを言うなぁ」と思って妙に納得したことを覚えています。