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運命の出逢い

次の日の昼、目が覚めた禅は二日酔いだった。

久しぶりの酒が効いたのもあったが、彼女の魅力がさらに酒を進めた。

「うっ、気持ち悪い……」

思わず吐き気を催した禅は、トイレに駆け込んだ。そしてトイレの便器を抱えながら思った。

〝今日が日曜日で良かった〟

トイレを出るとキッチンに行き、冷蔵庫からペットボトル水を取り出した。そして、それを一気に飲み干した。禅はフラフラしながら再びベッドに倒れ込んだ。それから四時間ほど時間が過ぎた頃、禅は目を覚ました。

「ああ、酷い二日酔いだった……」

やっと酒が抜けてきた禅は、そう呟くとシャワーを浴びに行った。シャワーを浴びて出てきた禅は、テーブルの上のスマホを手に取った。着信メールの中にシェリールからのメールがあった。

〝昨日はありがとうございました。お会い出来て良かったです。また会える日を楽しみにしています〟

そのメールを見た禅は、昨日の楽しい時間が蘇った。禅は急いでメールを返した。

〝今度の出勤の時、食事をして同伴させてください!〟

そうメールを送ると返信を待った……返信を待つ時間が長く感じられた。禅はイライラしていた。時間を見るとメールを送って三分しか経っていなかった。

しかし、それはまるで十時間位メールが返って来ないように感じた。その時メールの着信音が鳴った。禅は慌ててスマホを手に取った。それは賢一からだった。