1.生物模倣工作とは:まとめ
以上述べて来た考え方は立証されている訳ではなく、このままでは単なる筆者の考え事で終わってしまうので、仕事を離れた現在、時間もあることだし、本当に実現出来るかどうかを確認してみようということになりました。
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大学でトンボの滑空能力を研究しているうちに、最古の昆虫にして、しかも完成された形で地上に姿を現したトンボの凄さに感銘を受け、彼らは我々が考えているより遥かに深いことを教えてくれるに違いないと思うようになり、その想いもこの作業を後押ししてくれました。
幸運にも、この考え方によって、知的活動や日常生活上の速やかさや心地よさにおいて、これまでにないレベルに達したと思える新しいものを作ることが出来、生活用品ならば生物模倣工作が十分成立することが明らかになりました。
ものつくりに関する専門技術も特に必要としないので、ことによるとこの方法によって多くの人がものつくりを楽しめ、しかもそれによって生活が楽になるのではないかと考えるようになりました。
そうなることを期待して、本書で生物模倣工作の少し詳しい考え方とそれによって作られたものの例を紹介することにしたという訳です。
また、生物模倣に詳しい方なら近年注目されている生物模倣技術と、この生物模倣工作との関係に関心を持つであろうと思い、それについても付録で論ずることにしました。