では、どんな発達障害の特徴が、これらの要求と相容れないのでしょうか。

具体的なエピソードについては、前章で書き連ねましたが、その特徴についてまとめてみましょう。

発達障害は、社会性の障害と言われています。コミュニケーションや対人的相互対応の障害と言われています。先の仕事における社会的要求の最初からつまずきます。

社会性が必要な仕事に、社会性に乏しい人が就いてしまったのです。具体的には次のようなことが言えます。

・自閉的で他者の認識に乏しい。ほかの人のことは考えない。

・頭の中で自分が考えることがすべてだと思いがち。その点では自己中心的。

・その場で求められる対応ができない。人においても場所においても。

・こだわりが強い。自分のやり方にこだわる。結果的に仕事が遅い。

・不注意、もしくは無関心。物をなくしたり、関心のないことは聞いてなかったりする。

・優先順位がつけられない。仕事が効率的にできない。

・課題を先延ばし(先送り)する。

・マルチタスクの対応ができない。