はじめに
大人の発達障害について知られるようになりましたが、私にはどうも納得いかないことがふたつほどあります。
大人の発達障害は、大人になってから発達障害であることがわかったということで、そのほとんどが、就職後明らかになります。大人の発達障害と言われ理解が進んでくると、30代、40代、あるいはそれ以上の年代の人も、ひょっとしたら自分は発達障害なのではないかと思うこともあるでしょうし、また診断のつく人も多くいると思います。
しかし、これほど注目されるようになったのは、アルバイトでも新卒採用でも働き始めた時、仕事自体や人間関係でどうもうまくいかないと感じ、そのうまくいかなさが発達障害の特徴として認識されるようになったので、一層目立つようになったのだと思います。
そのため大人の発達障害が問題となるのは、職場です。どうも納得のいかないことのひとつは、職場においては発達障害の人だけではなく、周りの人も悩み苦しんでいますが、そのことはあまり知られていないということです。
そしてもうひとつは、最近は発達障害者への対応の仕方についてたくさん言われていますが、職場で問題となるまさにその時には役に立たないのではないかということです。