10年先をリアルに想像する
Imagine the future in 10 years’ time in a realistic way.
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23歳から36歳まで、私は女子高校の保健体育教師をしていました。体育館やグラウンドでの実技以外に、教室では保健の授業を週一回だけ教えていました。2年生を9クラス受け持ち、『将来設計を考える』という授業をした時のことです。
「さて、今日は17歳の皆さんに、未来の人生設計を描いてもらうことにします」
と、プリントを配りました。
「大学に進学する人は、何を学んで卒業するか。就職する人は、どんな会社に入社して働くか。そこがスタートですね。その後は、勝手な想像でいいですからね。恋愛とか失恋とかさまざまなことを経験するでしょうが、それはさておいて、何歳でどんな人と結婚し、2人の住居はどこにするかなどを想像力を豊かにして記入してください」
「それと、皆さんが今住んでいる所の地価相場って分かるかな? 結婚して住む場所は地価相場で家賃が違うので、月々の家賃を具体的に考えてね」
まだ17歳の女子高生が踏み込む、未来のリアル。それに向き合いながら、空欄は埋められていくのでした。
「何歳の時に子供を産むか、勝手な空想として女の子か男の子かなどなど、ついでに名前を付けてみてもいいですよ」
自分が母になる日を想像しながら「まずは、女の子だな〜」「名前は〇〇ちゃんで、2年後には男の子の〇〇君」などと、夢見る乙女たちの盛り上がる教室内。
「結婚して自分が働かないなら、結婚するダンナさんのお給料は毎月幾らなら大丈夫ですか? そして、仕事をしている人は、何歳まで続けるかも考えてみようね。結婚後に仕事をしていない人は、その後にどんな仕事をするか、自分は何を始めると思うか想像してみてください。10年ごとに記入してみてくださいね」
設計図に書いた10年後の自分と、現在の自分。未来のために今から何をするべきかを徐々に考え始めていきました。