エッセイ 芸術 2021.03.03 「今を大切に 君の人生だよ」より「自作文」 今を大切に 君の人生だよ 【第6回】 青山 珪香 あらたな書芸術を模索しつづける書家からのメッセージ こんな時代だからこそ、ぬくもりのある言葉を―― 時代がどんなに進んでも、心に届くのは人のあたたかみ。 わかる。感じる。励まされる。 70年近い書人生のなかで、「だれもが読めて心に響く書のものを」との思いから、 多くを自作の文で制作してきた書家による作品集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 (自作文)
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
エッセイ 『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』 【第8回】 島崎 二郎 「医師として、もう、責任が取れない段階に入っているということです」―妻の命がかかっている。あがく私に先生は… 「ALSの場合、TDP-43のタンパク質量とかで、推定されるのでしょうか?」「それは、増えているということは分かっているんです。しかし、病気を快復させるために増えているのか、病状を悪化させるものなのか、それさえ分かっていません。もう、その辺でよろしいですか?」「病気の原因が分からない。結局はそこに戻ってしまうということですか?」私は堂々巡りをして、肝心な京子の延命期間を数字として聞き出せないでい…