具体的な活動分野は、気候変動、森林保全、海洋保全、水産物管理、綿花や砂糖などの農産物、水など多岐にわたり、人間の持続可能な環境づくりが活動の中心になっている。
しかし、WWFに対し、その科学的信頼性や活動の有効性、ランク付けを行う団体組織が抱えがちな問題として、主張の政治性や資金の使途等に多くの批判があるのが現状のようで、WWFによる声明や要望に対する結果の簡潔な明記、目標を同じくする国際会議や類似活動団体との連携等の関係性、資金運用の開示方法の工夫等を行うと、さらに、社会における認知や、参加者の凝集力を高めることができるかもしれない。
社会的責任遂行に対する企業の主体性を促すWWFと、各国の政治家等に対して強く訴える環境活動家グレタさんの動き方、そのアプローチとは異なるが、あなたはどう受け止められるか?(2020・2・19記)
CLIMATE SHOCK(気候変動クライシス)
「薬には 副作用があるために 手当の仕方は 慎重に」
「地球用 日焼け止めの 処方箋 クリーム塗るとか 傘では済まぬ」
「責任は 万人にあり 誰にもない 高いハードル 気候問題」
これまでは、勉強会仲間から聴いた話や新聞やネット記事、あるいは身近な新書で読んだことをまとめた程度だったが、いまからここで紹介するのは、米国ハーバード大学環境センターフェローのゲルノット・ワグナー氏と、同じくハーバード大学経済学部教授マーティン・ワイツマン氏がまとめた『CLIMATE SHOCK(気候変動クライシス)』と題する本(2016年 東洋経済新報社)である。
専門的な記載も多いが、訳者の山形氏は、あとがきの頁で、親切にも素人でもわかるように本書の概略を整理されている。大規模な嵐は昔からあったが、「平均温度暖かくなると、大気中にもっとエネルギーがあることになり、したがってもっと極端な嵐、洪水、干ばつが予想される……」。確かに、昨年日本を襲った台風も含めて、年々大型台風が増えていると感じている人が多いはずだ。