べき人間
「べき人間」にとって物事は、
「すべきこと」と「すべきでないこと」
「しなければならないこと」と「してはいけないこと」
「正しいこと」と「正しくないこと」
これしかありません。
「べき人間」はモラルを重んじ、秩序を守り、弱い者を助け、自ら率先して働きます。
でも、彼らは何が正しいか考えるより、正しいことをすることを望みます。
「正しいこと」をしている限り欠点がないからです。
欠点がなければ「完璧」だからです。
完璧な彼は、時として「神」のように振る舞います。
「神」のように振る舞いたいから、「べき人間」になっているのかもしれません。
これが問題なんです。
彼らの世界は、全てが整然とし、美しいでしょう。
でも、こころの中は苦痛でいっぱいです。
彼らのいう正しくないことは決してこの世からなくなりません。
だから、このルールは常に世界を真っ二つにします。
そんなことはない?
みんながすべきこと、しなければいけないこと、正しいことをすればいいですか?
あり得ません。
どこにでも堕落したものはいるから、絶対にないのではなく、あり得ないのです。
みんなにとって一つのすべきこと、みんなにとって一つのしなければいけないこと、
みんなにとって一つの正しいことがないのです。
だって、それを決めるのは、あなたでしょう?