予期せぬパンデミックに襲われたいま、向かうべき未来の展望とは。
コンサルティング会社の社長が教える、これからの時代を乗り切るヒント。 新型コロナによって「人のあり方」「人の育て方」は大きく変動した。ウィズコロナの時代にどう働いていくか。本連載で解説していきます。
私たちが体験してきた日常スタイル
会社に着けば、各種打ち合わせ会議が行われ、上司からノルマを与えられ、業績報告を行い、問題が生じれば対策会議が行われ、つかの間の昼時も、食事をとるために長い行列に並び、あたふたと自分の席に戻る。取引先や仕入れ先、顧客からの対応に追われ、静かな時間がないまま、パソコン画面に向かって自らの仕事をこなす。
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このように繰り返し、週末を迎える。溜まった疲れをとるために、土曜日は長い睡眠をとりたいと思っても、子どもに起こされ、家族サービス。日曜日にゆったり買い物などをしながらいっときの安らぎを覚える。しかし、夕方頃より、仕事の課題が脳裏をよぎり、夜から憂鬱になる。月曜日の朝、再び満員電車に揺られながら、「戦場」に出かける。
ゴールデンウィークやお盆、お正月には、家族とともに大渋滞の渦に巻き込まれながら、やっとの思いでリゾート地にたどり着き、1年で最も高価な宿泊費と最も混雑したレストランや、行楽地でひと時を過ごす。帰省先や行楽地から、また大渋滞にもまれながらやっとの思いで、我が家にたどり着く。
私たちはこのような景色を、定年まで繰り返し、ボロボロになった体をいたわるように定年後を迎えます。地位もやることも失くした私たちの目の前にあるのは、空虚な時間だけであった、というのがごくありふれた日本人の日常です。
私たち日本人はほんとうに勤勉で、誠実に人生を送っています。しかし、ほんとうに人間らしく生きているのかというテーマは、封印しながら、真面目に生きています。そもそも人間らしく仕事ができるなどと考えたことはないのです。
自分のスタイルと自分のリズムで仕事ができるとしたら、仕事はどんなに楽しいものかというチャンスを得たことがないのです。私たちは資本主義社会のパーツであると諦めている人が多いのです。
しかし、どうもこの景色が変わる可能性があるのです。