我々人間界には絶えることのない争いが存在しています。争いが生じる主な根源には、1.人種・民族の差別、2.宗教の存在、そして3.主権国家の存在、の三大根源があります。これらがなぜ争いを創造するのか、そしてどうすれば人間界から争いを追放することができるのかについて思いをめぐらします。
科学の厄災化
NGOによるもの
*核兵器の非合法化と廃絶を目指して活動するICANの略称を持つNGOは各国の平和団体と連携して各国政府や市民社会に働きかけ、核の非人道性を訴え続けています。ICANには世界101カ国と468のNGOなどが参加し、2017年7月国連で「核兵器禁止条約」の形で具現化した。これによりICANはノーベル平和賞を受賞しています。
対して、当条約には肝心の核保有国や核抑止力に依拠する日本を含む諸国は参加しておらず、北朝鮮の核武装などを引き合いに、「核抑止による安全保障を無視している」とか、「核保有国が条約に加わっていないので意味がない」という愚かな批判があります。
しかし、人類滅亡の回避という大局的見地からは、そのような批判は当たっておりません。なぜなら、「核抑止による安全保障を無視している」などは、核兵器が禁止され消滅すれば核抑止の必要性も消滅しますから心配の種ではなくなるからです。また、「核兵器保有国が条約に加わっていないので意味がない」ということについては、それゆえに当条約の権威も実効性も薄弱なものであることは否めませんが、それでも核兵器を廃絶しようとする方向に向かって一歩前に進めているだけでも十分に意味のあることです。
対して、当条約について批判を受けなければならない張本人は、第1には反対に回った核保有国や日本などであり、第2には自身は何もせず座しているのみで当条約には意味がないなどと批判をし、何か良識ある正論を語っていると勘違いをしている人たちです。良識や正論とは「人類滅亡をもたらす核兵器を直ちに断固廃絶せよ」と主張することであり、これよりほかのことではありません。核兵器の廃絶は「核兵器ありき」というパラダイムの中の議論から実現することはありません。