シャツ専門店

普段の彼は、触角を隠そうと、襟付きのシャツを着てボタンをしっかりと留めていた。ニットはタートルが多かった。それでも洋服を扱う仕事をする彼にとって、その触角を隠すことはそんなに難しいことではない気がした。

彼は薬院という、福岡の中心から少しだけ外れた小さな街でシャツの専門店を営んでいて、私は番組で彼のお店に取材に行って彼に出会った。彼は美しく、ぴしりとアイロンがかけられた真っ白なシャツを、首元までやはりぴしりとボタンを留めて着ていた。

それはまるで彼の身体の一部みたいに、彼の細い身体に沿って皺ひとつなくおさまっていた。そして180センチの細い身体に合ったブラックデニムを履き、足元には黒のコンバースのスニーカーを合わせていた。

店内には壁に沿って棚が置かれ、色ごとにシャツが並べられていた。そのシャツもすべて、彼が着るシャツと同じ、美しく、皺ひとつなく並べられている。壁のひとつはすべて白のシャツで、長袖、半袖、ボタンダウンのシャツに、中にはヴィンテージもあって、素材も様々、コットンはもちろん、麻やシルクもあった。